我が家の闘い

妻の投稿


私が倒れて4ヶ月。

私が死にかけて4ヶ月。

お腹の赤ちゃんに助けてもらって4ヶ月。

 

4ヶ月生きた。


身体が動かない。

目が見えない。


頭はいろんなことをよく覚えてるし、考えられるけど

わかるのは、前とは明らかに違う自分。


もういい。もう戻して。

前の私にもどして!


子育てが辛い

家事が辛い

悪阻が辛い

 

そんな贅沢なことに悩んでいた

4ヶ月前の元気なママの私にもどして!

 

子どもが熱を出した

子どもの保育園の参観日

こんな所で寝ている場合じゃない。

行かなくちゃ!

小児科に、連れて行かなくちゃ!

 

やりたいことはいっぱいあるのに、

できない。


子供達は3歳と1歳、ママが必要な時期。

さみしい思いしてるかな?

泣いてないかな?

 

3歳の息子は

11月に4歳の誕生日を迎えたら

ママが帰ってくると信じてる。


おりこうにしてたら

ママ帰ってくるって、信じてる。

 

私も、そう約束してる。

守れるか守れないか

わからない約束をしてる。

悪いママ。

 

この4ヶ月、私たち家族は闘った。

みんな、闘った。

 

私は、病気と闘った。

最初は、食事もトイレも管だった。

それが嫌で、頑張った。

食事は自分の手で、固形物を食べられるようになった。

 

トイレは、車イスで一人で行けるようになった。

麻痺の左手で手すりを持ち、頼りの右手で片

手で、ズボンを下ろし、拭いて、また片手でズボンを上げる。

たかがトイレ されどトイレ


スリリングなトイレタイムにも慣れたあたり

やはり4ヶ月。


鼻から入る栄養剤が抜け

おしっこの管が抜け

点滴が外れ

やっと自由になった!


・・・だけど、私の身体は動かないし、目は見えない。


左側が、どうにも見えない。

車イスに乗っていると

一見すると元気な人。

でも

私は歩けないし

手も動かないし

目も半分見えない。


なんで私なの?

誰かわかって。

誰か代わって。

そうやって、毎日泣いていた。

 


それを毎日見ている夫

夫も闘っていた。

私にかける言葉を探し

私の涙をふき

私の足を拭く

毎晩忙しいのに

疲れてるのに来てくれても

そんなことをさせる悪い奥さん。

この人と、結婚してよかった。

こんな身体になって

こんなどん底に落ちないと気付かないあたり

やっぱり悪い奥さん。

「おはよう」 と「おやすみ」を

メールでしか言えないのがもどかしい。

ネットスーパーでビールを注文するくらいしか

恩返しの方法がわからないのが

悔しい。

 

 

久しぶりに会った息子が

「ママかわいい!」

と、やって来る。


知ってる限りの、私が喜ぶ言葉と共に

ちょっと、力を手加減してやって来る。

我慢していたんだね。ごめんね。

ママを喜ばせようとする、

でも病気のママに気を遣う3歳の子に、

泣けてくる。

 

お友達がママと公園に来ているのを見て

お友達のママが保育園のお迎えに来るのを見て

さみしかっただろうな。

 

毎日隣で寝ていたのに

ある日から隣が抜け殻になって

さみしかっただろうな。


私も3つの抜け殻を求めて

毎晩さみしかったよ。

 

 

このおばさんだぁれ?

と言わないけれども、じっと見る娘。

もう抱っこもできなくなったママのこと、忘れちゃったよね。

ごめんね。

 


みんな、頑張った。

この頑張りは、誰にもわかってもらえないかもしれないけど、

私は、大きな声で言えます。


「みんな、頑張った」


まだまだこれからだけど、

家族4人、みんな元気に生きてる。

大丈夫!みんな、強くなったから!

 

まだやり直せるよ。


また、スタートラインに立てるよ。